偽議員バッジ男「付けたらもっとがんばれると」…外務省侵入理由は「トップクラスの省庁」

偽の国会議員バッジを悪用して官公庁に侵入するなどしたとして、建造物侵入と窃盗罪に問われた男(22)の公判が14日、東京地裁(渡辺一昭裁判官)であり、検察側は懲役2年6月を求刑した。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、結審した。判決は3月2日。
起訴状では、男は昨年6月、東京都千代田区の警視庁丸の内庁舎に侵入して腕章2点を盗み、同8月には同区の自民党本部や外務省庁舎、厚生労働省などが入る合同庁舎に侵入したとしている。侵入時に偽の議員バッジを付けていたケースもあったという。
男はこの日の被告人質問で「政治家を目指しており、バッジを付けたら、もっとがんばれると思った」などと犯行動機を説明。自民党本部には空気感を味わうために入ったとし、外務省に入った理由は「トップクラスの省庁。外交に興味があった」と述べた。
検察側は論告で「侵入は常習的で厳罰が不可欠だ」と主張。弁護側は最終弁論で「犯行に計画性はない」とした上で、盗んだ腕章も自宅にある警視庁のマスコット「ピーポくん」の人形に飾っており、悪用するつもりはなかったと述べて情状酌量を求めた。