昨年11月、東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで同大教授の社会学者、宮台真司さん(63)が男に切りつけられて重傷を負った事件で、警視庁捜査1課は16日、死亡した相模原市南区の無職の男=当時(41)=を容疑者と特定したと発表した。殺人未遂容疑で容疑者死亡のまま書類送検する方針。
捜査1課によると、事件前後に男が自宅近くと現場の間を移動する経路が防犯カメラ画像から裏付けられたことや、逃走中に男が捨てたペットボトルから検出されたDNA型が、男の別宅にあったバリカンのものと一致したことなどから断定したという。
一方で男の別宅から見つかったオノや包丁3本から血液は検出されなかった。また、男が事件時の着衣やパソコン、日常生活について記録したメモ帳を捨てていた上、以前に使用していたパソコンから事件と結びつく情報を得られず、動機の特定には至っていないという。
男は昨年12月17日、両親と3人で暮らす住宅近くの別宅で首をつって死亡しているのが見つかった。前日の16日午後に自殺したとみられる。室内にあった遺書に宮台さんや事件に関する記述はなかったが「家族や知り合いに迷惑を掛けた」と記されていた。