通行禁止のはずの「勝手踏切」で事故、利用者は後を絶たず…現場には「きけん」の看板も

14日午後5時45分頃、香川県三木町池戸の高松琴平電気鉄道長尾線の線路で、自転車で渡っていた男性(19)が、長尾発高松築港行きの普通電車(2両)にはねられた。高松東署によると、男性は頭を強く打ち、病院に搬送され、意識不明の重体という。
同社によると、現場は正式な踏切ではなく、遮断機や警報機は設置されていない。住民らが生活道路として使っており、「勝手踏切」と呼ばれている。
現場には、同社が「通行禁止」や「きけん」と書かれた看板を設置。隣接する田畑の用水路管理者だけが通れる「用水管理道」で、それ以外の人は通行禁止となっている。
しかし、実際には近くのコンビニや病院を利用する際に自転車や徒歩で通行する人が後を絶たないという。近くの男性(74)は「住民はよく利用する。近くの踏切から警報音が聞こえ、電車が来れば分かる」と話した。
同社の路線では、「勝手踏切」は志度線六万寺―大町駅間にもある。同社は2か所の勝手踏切の危険性を認識していたが、いずれも道路管理者との折り合いがつかず、封鎖できずにいたという。
事故現場は今後、関係者のみが通れるように封鎖する方針で、同社の担当者は「今回の事故を踏まえ、危険な箇所をできるだけ減らしていきたい」としている。
四国運輸局によると、勝手踏切は鉄道事業者によって数え方が異なることなどから、正確な数は把握できていないという。