元迷惑系ユーチューバーのへずまりゅう(本名・原田将大=31)が統一地方選の東京・豊島区議選(4月16日告示、23日投開票)に無所属で出馬することが分かった。一昨年の参院山口補欠選挙に続く、2度目の選挙チャレンジとなる。決して冗談や売名行為ではない。胸の内に秘めた真剣な決意を明かした。
「豊島区をより良い街にしたいんです」
2月某日、池袋駅前に着慣れない一張羅で、熱く未来のビジョンを訴えるへずまの姿があった。
へずまといえば、迷惑系ユーチューバーとして、2020年に会計前の魚の切り身を食べた窃盗容疑で逮捕され、約1年間活動を休止。執行猶予付きの懲役2年6月の1審判決が出た後に表舞台に復帰し、参院山口補選にNHK党公認で立候補した。「反省してます」とおわび行脚も1万票を獲得できずに玉砕していたが、再び懲りずに選挙に出るというのだ。
こうなると売名行為に見えてくるが、へずまは本気も本気だ。
「確かに参院山口補選を売名と謝罪の場にしてしまったが、それから政治や選挙に興味を持ったのは本当です。自分は山口県防府市出身で長州藩の血が入っている。高杉晋作や伊藤博文ら長州の偉人を尊敬している。安倍晋三さんが亡くなったことで4月に行われる衆院山口4区補選も考えたが、まずは東京で議員になって、実績を積んで将来的に山口に帰りたい」と真顔で話す。
現在は保護観察付きの執行猶予中の身。インフルエンサーとして活動しており、人知れず池袋や渋谷で月に数回、清掃活動に励んでいる。
「豊島区は3年前に迷惑系ユーチューバーとして上京してきた時から住んでいて、田舎者に優しい街です。一方で、池袋は渋谷や新宿と並んで有名な街なのに発信力はいまひとつ。若者が主役になれる街に、誰かに任せるのではなく、自分の手で変えていきたいんです」
へずまの動向は連日、ネットニュースになり、ツイッターの投稿は300万閲覧超えもざらで、ネット上では異常な関心が寄せられている。それでも区議選にはSNS任せの空中戦ではなく、区民一人ひとりに愚直に訴えたい考えで、近く駅頭や街中でのビラ配りや辻立ちを始める予定だ。