《実行犯逮捕》「指示役『ルフィ』の“遠隔犯罪”には『ドラゴン』が関わっている」広域強盗事件にもつながる“黒い組織”の正体とは

東京都狛江市の強盗殺人事件で世間から注目を集めている全国的で相次いでいる強盗事件。2月22日、この事件の実行犯とみられる野村広之容疑者(52)が強盗殺人容疑で、福島聖悟容疑者(34)が強盗殺人幇助容疑でそれぞれ逮捕された。
この事件を含め、強盗を指示していたとみられるのが「ルフィ」と名乗るグループだ。指示役とみられる渡邉優樹容疑者と今村磨人容疑者らは2月上旬、フィリピンから日本に強制送還され、警察による捜査が続いている。
「ルフィ」が関係していた「JPドラゴン」とは
今村らを直接知るX氏が明かす。
「今村はフィリピンで活動する組織『JPドラゴン』と行動を共にしていたことがあります。2018年半ばから2019年の12月くらいまででしょうか。今村は渡邉のグループとは別に、JPドラゴンで特殊詐欺のハコ(アジト)を持っていました」
ルフィといえば、漫画『ONE PIECE』の主人公で、「海賊王におれはなる」のセリフで有名なキャラクター。父親の名前はモンキー・D・ドラゴンだ。
広域強盗事件の全容解明が待たれるなか、指示役であるルフィの裏で、「ドラゴン」が関係していた可能性が浮上しているというのだ。JPドラゴンとはどういう組織なのだろうか。X氏が続ける。
「ドラゴンという名前ですが、中国残留孤児の二世を中心とした、あの『怒羅権』とは全くの別物。Yという暴力団関係者の男をトップに、フィリピンで20年以上暗躍しているグループです。特殊詐欺などの犯罪行為で資金を得ているようです」
もとをたどれば、渡邉、今村両容疑者は、2019年11月にフィリピン当局によって拘束された日本人特殊詐欺グループ36人の事件に関わった疑いで逮捕されている。
「36人が拘束されたときに、渡邉と今村は摘発を逃れています。今村はその後、JPドラゴンの“仕事”のためにフィリピンを出国しようとしたところ、逮捕状が出ていたため空港で拘束され、収容所に送り込まれることになったのです。
JPドラゴンのトップYが手下を通じて収容所にいる今村に毎月5万ペソを渡していましたが、3カ月で途切れてしまった。そこで金を集めるために収容所内で再び渡邉と結託し、特殊詐欺を始めたんです。それから“タタキ(強盗)”に移行していったんじゃないかな。だから一連の強盗事件に関しては、JPドラゴンは直接的には関係のないグループです」(X氏)
「JPドラゴン」の幹部たちの黒い動き
だが、今村容疑者は「水面化でJPドラゴンから情報をもらっていた」という。
「今村は収容所で密かにJPドラゴンのメンバーから、富裕層のリストをもらっていました。彼らも特殊詐欺をやっていたわけだからね。これらの情報が直接、日本で起きた強盗事件に使われたかどうかは分かりませんが……」(同前)
ということは、今村や渡邉に金や富裕層リストを渡していたJPドラゴンの関係者が、いまだにフィリピンに存在している可能性があるのだ。
「ドラゴン」フィリピンでの目撃証言とは
「JPドラゴンはYの下に、ナンバー2とされる男がいて、こいつが今村とほぼ同格だったんじゃないかな。ほかにも日本人の仲間がいて、フィリピンで犯罪に携わっていました。幹部たちはマニラでラーメン屋などを経営しており、表向きは投資家や経営者として活動していますが、これはカモフラージュ。経営者だと銀行口座を作ったり、マンションを借りたりするのが楽だからね。
今村にはありませんでしたが、メンバーは手の甲の親指と人差し指の間くらいに、“JP Dragon”というタトゥーをいれていた。メンバーのうち2人は、日本からフィリピンに1億円以上の現金を無申告で持ち込もうとした容疑で昨年に逮捕されているけど、これも特殊詐欺で得た金だと聞いています」(同前)
JPドラゴンのメンバーに薬物を買うように勧められ…
取材を進めると、フィリピン人男性に行きついた。男性は「渡邉や今村の顔は見たことがない」というが、JPドラゴンのメンバーを名乗る男を知っているという。
「4年くらい前でしょうか。(JPドラゴンのナンバー2の)男は、複数のホテルを転々と移動していて、仲間が経営するマニラのラーメン屋にもよく出入りしていました。とても優しく接してくれました。
ですがある日、彼に薬物を買うように勧められたんです。私には子供もいますし、当時ドゥテルテ大統領が薬物犯罪に超法規的な措置を取っていたので、断りました。以降、付き合いはなくなり、今はどこにいるかも知りません……」
被害金額60億円以上とされる特殊詐欺事件で逮捕された渡邉容疑者と今村容疑者。「ルフィ」と名乗り、全国で相次いだ強盗事件への関与も疑われているが、「ドラゴン」との関係は――。
真相解明が待たれる。
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