トルコ・シリア大地震で、国際緊急援助隊として第8管区海上保安本部管内から震源地近くのトルコ南東部に派遣された機動救難士の男性が27日、京都府舞鶴市下福井の同本部で記者会見した。男性は現地での緊迫した救助活動を報告し、支援継続を訴えた。
男性は8管の美保航空基地(鳥取県境港市)に所属する有本圭一郎さん(30)。73人の国際緊急援助隊・救助チームの一員として地震が発生した6日の深夜に日本を出発し、8日午前3時40分から、震源地に近いトルコ南東部のカフラマンマラシュで捜索・救助活動に7日間従事した。
会見で有本さんは、まちの様子について「倒壊建物が多く、この中に何千、何百の人が閉じ込められていると思うと衝撃を受けた」と振り返った。崩壊した9階建てアパートなどで活動に当たり、人間を感知するレーダーや画像探査装置を使って要救助者を捜索したという。
がれきが倒壊する危険と隣り合わせの中、有本さんらは一人でも多くの人を助けたいと懸命に任務を果たした。「チームで6人のご遺体を収容したが生存者の救出ができず、悔いが残った」と感じたものの、帰国時には日本語で感謝の言葉を告げられ「少しでも力になれたと思った」と語る。
現地は夜になると気温が氷点下になったといい、「暖を取れるものが不足していた。大変な経験をされた方が多く、心を休められる場所があれば」と被災地の人々を思いやった。