「おせっかいおばさん」詐欺防ぐ 心臓バクバク…風潮気にしつつ通報

特殊詐欺を未然に防止したとして、神奈川県横須賀市の主婦、白井道子さん(74)が24日、県警田浦署から感謝状が贈られた。白井さんは「おせっかいおばさん」を自認していて、声かけの必要性を語った。
事件は1月20日夕、市内の銀行のATM(現金自動受払機)で発生。一人暮らしの80代女性が、預金通帳などを置き携帯電話で通話しながら機械操作していることに気づいた。「おかしい」と直感し「詐欺じゃないですか」と大声で指摘。だが、女性は忠告に耳を貸さなかった。「何とかしなきゃあ」。白井さんは機転を利かせ、約100メートル離れた湘南鷹取駐在所まで走り、33年間同駐在所に勤務していて顔見知りだった後藤昭寿巡査部長(60)に通報、市職員をかたった還付金詐欺の被害阻止につなげた。
白井さんは「心臓はバクバク。でも被害が出なくてよかった」とし「余計なことにかかわらない風潮があるが、おせっかいは大事」と強調した。
この日は、追浜郵便局員の浦島裕さん(50)にも特殊詐欺の被害防止で感謝状が贈られた。【橋本利昭】