狛江事件、残る実行役を逮捕 広島事件に関与の男 警視庁

東京都狛江市で大塩衣与(きぬよ)さん(90)が殺害された強盗殺人事件で、警視庁調布署捜査本部は28日、強盗殺人と住居侵入の疑いで残る1人の実行役とされる加藤臣吾被告(24)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。加藤容疑者は昨年12月に広島市西区で起きた強盗傷害事件に関与したとして、逮捕、起訴されていた。
狛江事件の実行役は4人とされ、捜査本部は2月22日に強盗殺人容疑などで永田陸人(21)▽野村広之(52)▽大学生の男(19)-の3容疑者を逮捕。加藤容疑者の逮捕で実行役は全員が摘発されたとみられる。事件では犯行車を手配するなどしたとして強盗殺人幇助(ほうじょ)容疑などで福島聖悟容疑者(34)も逮捕されている。
加藤容疑者らは、共謀して1月19日、狛江市の住宅に押し入り、大塩さんの両手を結束バンドで縛り、暴行を加えて殺害し、高級腕時計3本や指輪(時価計約60万円相当)を奪ったとしている。
加藤容疑者は狛江事件後に永田容疑者と大学生の男とともに犯行車両に同乗して都内のホテルに宿泊。翌20日の東京都足立区内での窃盗未遂事件にも関与した可能性もあるという。
永田容疑者は広島市西区の強盗殺人未遂事件や今年1月の千葉県大網白里市での強盗傷害事件にも関与していたとみられている。狛江事件翌日に身柄を確保されたが、その際に使っていた車は狛江事件の犯行車と一致し、車内からは大塩さんの血痕が付いた手袋などが見つかった。
また、車からは携帯電話も見つかり、「ルフィ」や「キム」などと名乗る指示役とのやりとりも確認された。捜査本部は、実行役全員の逮捕で、グループの実態解明を、さらに本格化させる。