「記憶引き継ぐ」被災地への思い、2000個のキャンドルに 静岡

関連死を含めて2万2000人を超える死者・行方不明者を出した東日本大震災から12年となった11日、静岡市清水区のJR清水駅東口公園でも追悼行事があった。集まったボランティアや市民らがあらためて命を重みをかみしめ、被災地の復興を祈っていた。
大震災の翌年から、市民団体「防災フェスタ実行委員会」が続けている。「震災の記憶の継承」をテーマに、公園には2000個のキャンドルが「花のバトン」の形に並べられた。そのキャンドルの筒には「一日一日を大切に」「助け合おう」などと、市内の子どもたちが被災地や災害への思いをしたためた竹紙が巻かれた。
発生時刻の午後2時46分、準備を進めていた約80人のボランティアが手を止めて、黙とうをささげた。夕方にキャンドルの明かりがともされると、通りかかった家族連れが静かに手を合わせていた。
ボランティアとして参加した東海大翔洋高2年の小松星南さん(17)は「当時の動画を見ると、津波の怖さや被災の大変さを実感する。記憶を引き継いでいきたい」と語った。
堀川武士・防災フェスタ実行委員長(55)は「災害はいつ自分に降りかかってもおかしくない。3月11日が防災を考えるきっかけになれば」と話した。
この日、藤枝市は原子力発電所でのトラブル、牧之原市は津波の発生をそれぞれ想定し、避難や情報伝達などの訓練を実施した。【深野麟之介】