逮捕前の殺人事件容疑者に「生活保護費」を不正支給か 申請資料は“ほとんど空欄”

去年、堺市の集合住宅で男性が殺害されて隣人の男が逮捕された事件で、容疑者の男に対して中区役所の職員らが生活保護費を不正に支給したとして、警察は区役所を家宅捜索しています。 (記者リポート) 「午前9時半です。大阪府警の捜査員が堺市中区役所に入ります」 3月13日、警察は背任の疑いで堺市中区役所を家宅捜索しています。捜査関係者によりますと、去年11月に唐田健也さん(当時63)を殺害した疑いで逮捕された楠本大樹容疑者(33)に対して、生活援護課の職員らが逮捕前の去年6月に生活保護費の一部にあたる運転免許の取得費用を不正に支給して、市に約30万円の損害を与えた疑いがもたれています。 費用の申請には、仕事を得るために運転免許証が必要であることや、免許証があれば採用されるなどの就労計画を記入する必要がありますが、MBSが入手した楠本容疑者の申請資料はほとんどが空欄でした。 警察は職員らが必要な確認を怠ったまま支給したとして、任意聴取するなど捜査を進めています。