大阪市長選は維新と非維新が激突、ともに知事選候補と「セットで売り込み」

26日告示の大阪市長選は、地域政党・大阪維新の会前代表の松井一郎市長の後任を決める争いとなる。大阪府知事選(23日告示)と同様、維新と、非維新勢力の結集を目指す政治団体「アップデートおおさか」の候補が激突する展開で、初日から知事選候補と並んで街頭に立ち、セットでの売り込みを図った。4度目となる「大阪ダブル選」は4月9日に投開票される。

改革 府市一体で必ず…維新・横山候補

大阪維新の会公認の横山英幸氏(41)は大阪・ミナミで第一声に臨み、「吉村さんとともに府市一体改革を必ず進める」と「維新政治」の継続を訴えた。知事選で再選を目指す維新代表の吉村洋文氏(47)は傍らで「市長、知事が同じ方向を向いて大阪を成長させていくことが必要」と応じた。
争点となっているカジノを中核とする統合型リゾート(IR)の大阪誘致について、横山氏は「自治体への納付金を財源に行政サービスを拡充する」と推進の立場を強調。「厳しい入場規制でギャンブル依存症に対応する」とも語った。
党は看板政策「大阪都構想」を巡り、2020年の2度目の住民投票で敗北。創設者の一人、松井一郎氏は今期限りで政治家引退を決めた。その後継を決める党の「予備選」を経て公認を得たのが横山氏だ。
11年の統一地方選で、吉村氏は市議選、横山氏は府議選に初当選した間柄。吉村氏が維新代表に就任した20年には、ナンバー2の幹事長に指名された盟友関係だが、市長選での課題は横山氏の知名度で、吉村氏はこの日最初の演説で、横山氏の名前を15回連呼した。
松井氏も応援マイクを握り、「維新の第1ステージは僕と(党創設者の)橋下徹さん。ネクストステージは吉村さんと横山さんのYYコンビで成長する大阪を作っていく」と後押しした。

IR 住民投票で問う…非維新・北野候補

「私たちがトップに立たなければいけない。女性の活躍こそ成長戦略だ」
無所属新人の北野妙子氏(63)は大阪・キタでダブル選にかける思いを語った。知事選候補の谷口真由美氏(48)は隣で「北野氏は大阪のために退路を断った。支えたい」とエールを送った。
北野氏は、20年に都構想の2度目の住民投票が実施された時の自民党市議団幹事長。反対運動の先頭に立ち、制度案を廃案に追い込んだ中心役だった。こうした経緯からダブル選を「維新VS市民派」の構図としたいアップデートから1月に打診を受け、市長選には自民を離党して臨んだ。
北野氏は、IRの大阪誘致に反対の立場で、成長戦略のために必要と主張する維新を批判。誘致の是非について「みんなで決めましょう」と述べて住民投票の実施を訴えた。首長や議員の報酬をカットする維新の「身を切る改革」に対抗し、市民のための「身を尽くす改革を行う」と力説した。
ジェンダー法を専門とする元大学准教授の谷口氏とは、約10年前に維新政治の問題点を検証する会合で顔を合わせた程度だったが、互いにダブル選への出馬が決まると、意気投合した。
この日はJR大阪環状線で移動しながら、計7駅前で並んで演説。北野氏は「セットで覚えてくださいね」と谷口氏のPRにも努めていた。

ほかの候補者も、街頭演説などに臨んだ。
飲食店経営の荒巻靖彦氏(58)は「外国人への生活保護を廃止し、それを財源にして、より良い大阪市をつくる」と語った。
ウェブ投稿業のネペンサ氏(48)は「犯罪が少なく、お年寄りから子どもまで安心して住めるまちづくりを進めたい」と話した。
理学療法士の山崎敏彦氏(44)は「緊縮財政から、財政拡大によって、大阪市を豊かにして経済成長を目指していく」と述べた。