通信制のクラーク記念国際高校(北海道深川市)の生徒たちが、超小型人工衛星「Clark sat―1」(愛称・アンビシャス号)の開発に成功した。宇宙航空研究開発機構( JAXA (ジャクサ))は10月頃、この衛星を国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げる。
アンビシャス号は一辺10センチの立方体で、重さは約1キロ。5面に太陽光パネルが設置されている。打ち上げ後ISSからロボットアームを使って軌道上に放出され、搭載したカメラで地球環境を撮影する。
衛星をコントロールする管制局は東京都板橋区の同校校舎に設置され、全国にある同校のキャンパスから募った宇宙探究部の生徒約50人が担当する。衛星開発は東京大などが支援した。
17日に東京都内で行われた記者会見で、同部員で東京キャンパスの1年生は「リアルな地球の姿を通じて、環境問題の深刻さを多くの人たちに伝えたい」と意気込んだ。
同校の宇宙教育プロジェクトアンバサダーを務めた宇宙飛行士の山崎直子さんは「生徒は一つひとつ地道なことを積み重ねてきた。大きな夢に到達するために大事なこと」と語り、約1年半に及んだ挑戦を振り返った。