2013年に熊本県立高校3年の女子生徒(当時17歳)がいじめを理由に自殺した問題で、いじめに関わった生徒の氏名開示を命じた福岡高裁決定が確定したことを受けて、同県の蒲島郁夫知事は5日、定例記者会見で「最高裁の判断を厳粛に受け止め、文書提出命令に従う」と述べた。県は高裁決定を不服として特別抗告していたが、最高裁が3月31日付で棄却した。
蒲島知事はいじめに関与した生徒の名前などを遺族に開示する考えを示したうえで、最高裁に憲法判断を問う特別抗告をした理由について「(報告書は)再発防止を目的として関係者の個人情報保護を前提に取りまとめられている。氏名の開示には最高裁の判断が必要だと考えた。判断を仰いでよかった」と説明した。
県の第三者委員会が15年にまとめた調査報告書では、いじめに関与した生徒の名前などが黒塗りで公表された。遺族は県と、いじめに関わった可能性がある元同級生8人に損害賠償を求め、21年5月、熊本地裁に提訴。同8月、黒塗りになっていない報告書を開示するよう熊本地裁に申し立てていた。地裁、高裁決定はいずれも氏名の開示を命じ、県が最高裁に特別抗告していた。【野呂賢治】