思いがけない展開に高笑いしているのは高市早苗経済安保相(62)ではないのか。
放送法の政治的公平性の解釈をめぐり、安倍政権が総務省に「圧力」をかけていたとされる行政文書が見つかった問題。高市氏は、この行政文書の内容について、国会で「捏造」と繰り返していたものの、その後の同省の内部調査や、当時の職員の証言などから捏造ではない可能性がどんどん高まっていったのは記憶に新しい。
そのため、問題発覚当初、立憲民主党の小西洋之議員(51)から「捏造でなければ議員辞職するのか」と問われた際、「結構です」と答えた高市氏の「クビ」は秒読み段階となり、絶体絶命の大ピンチだったはずなのだが、潮目が変わったのは衆院憲法審査会をめぐる小西氏の「サル発言」だ。以降、批判の矛先は高市氏から小西氏に完全に移ってしまった。
国民民主党の玉木雄一郎代表(53)も4日の会見で、小西氏が参院憲法審の野党筆頭幹事を更迭されたことに触れ、「筆頭幹事を外れるだけで処分されたと思うか」「整合性をとらないと党の信頼も失われる」などと言い、立憲民主にさらなる処分を要求。一部メディアも「そうだ、そうだ」みたいな論調で大々的に報じているのだが、ズレまくりもいいところだろう。
この問題の発端は、放送法の政治的公平性をめぐり、安倍政権で当時、首相補佐官を務めていた礒崎陽輔氏(65)が総務省側に対して「解釈変更」を強く求めていたという“事実”だ。公表された行政文書には、政権側の「圧力」に対して総務官僚が難色を示し、抵抗する詳細なやり取りがつづられている。そして、その文書を小西氏が入手し、公表した。
つまり、報道機関の言論の自由、メディアを守るために、総務官僚や元総務官僚の小西氏が問題提起したわけで、本来は高市氏や政府対応に批判の声を強く上げるのは報道機関の役割のはず。それなのに逆にメディア側が小西氏を叩きまくっているのだからあべこべだ。
元読売新聞記者で、ジャーナリストの大谷昭宏氏(77)も日刊スポーツのコラムで、<とりわけNHKを含む各局の報道局長はこの事態に一体、何をしているんだ。私が抱く危機感はそこにある。なぜ「真相を明らかにしろ。停波の流れには強く抗議する」と声明の1つも出さないのか>と書いていたが、その通りだろう。
小西発言が議員辞職なら麻生氏はとっくに政界引退
小西氏の発言は不用意だったとはいえ、そうであれば、しょっちゅう不適切発言していた自民党の麻生太郎副総裁(82)はどうなのか。