首相襲撃、複数容疑で立件検討 殺人未遂以外に銃刀法や公選法も

岸田文雄首相に向け爆発物を投げ込んだとして威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=について、和歌山県警が殺人未遂の他、ナイフを所持していたとする銃刀法違反など複数の容疑で立件を検討していることが20日、捜査関係者への取材で分かった。殺意の有無の他、選挙妨害の意図があったかどうかも焦点の一つで、県警は公選法違反容疑の適用も視野に捜査を進める。
県警は容疑者が当日持っていたかばんから刃渡り約13センチの果物ナイフを押収。銃刀法は正当な理由なく刃渡り6センチを超える刃物を携帯することを禁じている。
容疑者が年齢などを理由に昨年の参院選に立候補できなかったのは憲法違反だとして、国に損害賠償などを求め神戸地裁に提訴していたことも判明している。
容疑者は黙秘を続けているが、県警は選挙制度への強い不満が動機につながった可能性もあるとみて、暴力や威力によって選挙演説を妨害することなどを禁じる公選法違反を適用できるか慎重に判断する。他に火薬類取締法違反容疑なども検討する。