患者虐待目撃の職員「何されるかわからず止められなかった」…滝山病院に東京都が改善命令

東京都八王子市の精神科病院「滝山病院」の看護師が入院患者への暴行容疑で逮捕された事件で、都は25日、精神保健福祉法と医療法に基づき同病院に改善命令を出した。虐待の事実を認定し、再発防止を求めた。今後、入院患者の意向を聞き取り、転院希望者の転院先を探すなどの支援を行う。
都が医療法に基づく改善命令を出すのは初めて。精神保健福祉法に基づく命令は2002年以来という。
命令では、第三者委員会を設置して事件を検証することや、虐待防止マニュアルを作って研修を行うことを求めた。虐待を発見した場合は都に報告するよう職員に周知することや、患者からの相談体制の整備も要請。これらについて、改善計画書を2週間以内に提出させることとした。
都によると、同病院では、50歳代の男性看護師が昨年4月に患者の頭を手でたたいたほか、30歳代の男性看護師が同1月、患者を手でベッドに押さえつけるなどした。この2人を含む計3人が患者への暴行容疑で警視庁に立件された。
事件発覚後の今年3月、都は病院の全職員291人にアンケートを行い、184人から回答を得た。虐待について、17人が「見た」、34人が「聞いた」と回答。さらに、10人が「虐待を把握したが上司に報告しなかった」と答えた。自由記述で、「看護師やヘルパーが虐待していたが、何をされるかわからず止められなかった」と答えた職員もいた。
一方、朝倉重延院長は都の調査に当初、虐待の認識を否定していたが、報道などで院内の実態を確認し、虐待を認めた。都に「院長として大変反省している。改善に取り組みたい」と話したという。