戦闘の激化で情勢が緊迫するスーダンから、45人の在留邦人が自衛隊機で脱出した。周辺国ジブチに逃れた人々は、緊張の退避を振り返り、一日も早い和平を願った。
日本時間25日午前1時過ぎ、ジブチの自衛隊拠点に、航空自衛隊の輸送機「C2」が着陸した。45人の中には、子供の姿もあり、人々はホッとした様子で体育館に移ると、医務官から健康状態のチェックを受けた。
「長距離、長時間にわたって、すごいオペレーションを組んでくれた」。スーダンで医療支援をする北九州市のNPO法人「ロシナンテス」の理事長・川原尚行さん(57)は25日、退避完了後に公開した動画で、国連や日本政府、自衛隊など関係機関に謝意を示した。
川原さんが滞在していたのは首都ハルツーム。国軍と準軍事組織の停戦期間中も、戦闘員が町を行き交い、上空を爆撃機が飛ぶ中、C2が待つ紅海沿岸の港湾都市・ポートスーダンに向け、同僚の日本人の男女とともに車で出発した。
直線で東京―広島間に匹敵する約670キロの長距離運転に、川原さんは途中でめげそうになったが、同僚がコーヒーを手渡すなどして支えてくれたという。動画の中で、川原さんは「それを飲んで復活した。本当にありがとう」と両隣の2人に礼を言い、頭を下げた。
川原さんは北九州市出身で、医務官として1998年に外務省入省。在スーダン日本大使館での勤務を経て退職後、2005年から現地で巡回診療などに携わっている。「いろいろな方に支えられた。一日も早く停戦し、平和が訪れることを願います」。約3分間の動画をそう締めくくった。
◇
現地に職員を派遣している国内の各支援団体には25日、退避の連絡が相次いで入った。
スーダンで感染症対策を支援する国際NGO「難民を助ける会」(東京)の男性職員も、自衛隊機でジブチに退避した。25日朝、「無事着きました」と同会に連絡があったという。
国際協力機構(JICA)では、職員9人が退避した。広報担当者は、「日本への帰国はまだなので、オペレーション継続中という扱いだ」と気を引き締めていた。