女性「性被害に遭ったか思い違いか」、薬物飲まされたか数分で判定…検査キット開発

酒などに薬物を混ぜ、意識をもうろうとさせて性暴力に及ぶ事件の多発を受け、警視庁は、薬物を飲まされたかどうかをすぐに調べられる「簡易検査キット」を民間企業と共同開発した。東京都内の警察署に置き、活用を始めている。被害者の負担軽減や迅速な捜査に役立てるのが狙いだ。
警察庁によると、睡眠薬を悪用した性犯罪の摘発は昨年、全国で60件に上り、10年前(2012年)の17件から約3倍に増えた。「SNSやマッチングアプリの普及などで見知らぬ男女が飲食をともにする機会が増えたことが一因」(捜査幹部)とみられる。被害者が酒に酔っただけと思い込み、被害に気づかないこともある。
悪用される薬物は睡眠薬や向精神薬などで、「デート・レイプ・ドラッグ」と呼ばれる。通常の薬物鑑定は結果が出るまで1か月程度かかることもあり、被害者がその間、「被害に遭ったか、それとも自分の思い違いか」などと思い悩むケースも多かった。
こうした現状を踏まえ、警視庁などが2021年秋頃から検査キットの開発を進めていた。尿を試験紙に垂らすと数分間で陽性か陰性か判定できる仕組みで、体内に薬物成分が残っていれば、1日以上たっていても判定が可能になるという。
早期に検査結果が出れば被害者の負担軽減につながるだけでなく、現場周辺の防犯カメラの解析や関係者の事情聴取など捜査も進められる。警視庁の 国府田 (こうだ)剛・捜査1課長(58)は「検査キットを有効に活用し、悪質な性犯罪の摘発を進めていく」と話した。