今年1月、沖縄県石垣島の沖合でパナマ船籍の貨物船が座礁した件で、国内最大規模のサンゴ礁海域「石西礁湖(せきせいしょうこ)」のサンゴの一部が死滅していたことが26日までに関係者への取材で分かった。船底でサンゴ礁が削られたほか、積み荷のヤシガラが一部覆っており、地元ダイバーは「言葉にならない」と絶句する。
現場調査で潜水した石垣島のダイビングスクール「あつまる」の平尾一也さん(43)が3月4日、死滅したサンゴの一部を目撃した。北風の影響で浅瀬に座礁した船の船底がサンゴを削り取っていた。座礁船から漏れ出た積み荷のヤシガラが、指状に伸びた無数のサンゴ礁間の溝に堆積。一部はサンゴを覆っていた。
第11管区海上保安本部によると、同月24日時点で貨物船が積んでいたヤシガラ約1万トンのうち約4千トンが流出したとみられる。八重山漁協によると、5月までに船体を撤去する業者を国際入札で募る間、同漁協の組員や地元ダイバー10人体制で積み荷の回収をしている。撤去予定は未定。
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石西礁湖自然再生協議会によると、石垣島と西表島間の東西約30キロ・南北約20キロに及ぶ石西礁湖は360種を超えるサンゴがある。特に景観が優れた地域を重点的に保護する「海域公園地区」に定め、開発行為などを規制している。座礁地点はこの区域内に当たる。
担当者は「ヤシガラが堆積すると、サンゴの体内に共生し栄養分を供給する褐虫藻が光合成できず、白化して死滅する可能性が高まる」と危惧した。(社会部・比嘉海人)