渋谷区議選トップ当選の元仮面女子・橋本ゆき氏、今回は「結果を見るのが正直怖かった」…前編

最強の地下アイドル「仮面女子」の元メンバー・桜雪(アリス十番)として活躍した橋本ゆき氏(30、無所属)が、4月23日に投開票された東京都渋谷区議会議員選挙(定数34)で“公約”通りトップの得票数(3190票、立候補:62人)で再選した。「将来、渋谷区長になる」と公言している橋本氏が2回目となる選挙戦を振り返った。(取材、構成:松岡 岳大)
橋本氏は19年の渋谷区議会議員選挙に挑戦するため、26歳でアイドルを引退。4位の得票数(立候補:55人)で初当選した。今回の区議選では無所属にしてトップ当選を果たした。「新人での選挙と違い、4年間の活動を見ての評価だと思っていたので、結果を見るのが正直怖くもありました」と本音を明かすも「前回以上に多くの方に投票いただいたことを光栄に思いますし、より責任をもって活動していきたいと思っています」と笑顔を見せた。
他陣営の妨害行為や誹謗中傷などで「精神的にキツいことが多くあった」と語る苦しい選挙戦だった。それでもアイドル時代からのファンや橋本氏の4年間の渋谷区議としての活動に感銘を受けた若いボランティアなどが大勢集まり、仮面女子のOGや現役メンバーも応援に駆けつけた。「たくさんの区民や同じ志を持つ仲間に応援に来ていただき、ワンチームで活動できました」と感謝の意を示し「戦い抜いた仲間に精神的にはかなり支えられました」と安どの表情を見せた。
同じ時期に活動していた仮面女子OGには「結婚式を控えているのに強い日差しの中一緒にチラシを配ってくれたり、日々子育て、仕事に忙しいのに駆けつけてくれたり、本当に本当に日々、大好きな仲間の顔を見ることでパワーをもらっていました」としみじみ。
橋本氏は新型コロナの自粛期間中に科学的根拠基づくデータを示し渋谷区のライブハウスなどを支援してきた。現役メンバーや(ゆるキャラ)「ちぃたん☆」が応援に来たことについて「エンタメやカルチャーの発信地渋谷区としてのユニークな演説会ができました」。後輩に向けて「今現役で頑張っているメンバーにも恥じない活動を続けていきたいと思いました」とさらなる決意を示した。
(2日に後編配信予定)
◆橋本 ゆき氏 1992年12月12日、三重生まれ。30歳。アイドル時代の芸名は「桜雪」。2010年、芸能事務所「アリスプロジェクト」に所属。12年、芸能活動を行いながら東大文科3類に合格した。13年3月、仮面女子として活動を開始し、16年4月に東大を卒業。同7月に「地下アイドルが1年で東大生になれた! 合格する技術」を発売。同10月、小池百合子東京都知事の政治塾「希望の塾」に入塾。18年9月、2作目の著書「ニッポン幸福戦略」を出版。2019年3月31日、仮面女子を卒業。同年統一地方選、渋谷区議会選(4月14日公示、21日投開票)に地域政党「あたらしい党」から出馬し初当選した。23年には無所属として2期目の渋谷区議会議員となった。