東京都内の企業の育児休業取得率が昨年度、男性26・2%、女性94・1%だったことが都の調査でわかった。男性は前年度から2・4ポイント上昇して過去最高となったものの、依然として男女間の差が大きい実態が浮き彫りになっている。
調査は昨年9月、都内にある従業員30人以上の13業種計2500事業所を対象に行い、605事業所が回答した。
育休の取得期間は、男性は「1~3か月未満」が38・3%と最多で、次に多かったのが「5日~2週間未満」の15・8%だった。これに対し、女性は「6か月~1年未満」(31・5%)、「1年」(26・6%)の順で、男性の取得期間の短さが目立っている。
男性が育休を取得する際の課題(複数回答)を企業側に尋ねたところ、「代替要員の確保が困難」(68・8%)が最も多く、「男性自身に育児休業を取る意識がない」(36%)、「休業中の賃金補償」(34・9%)が続いた。
都は4月、2人以上の男性従業員が育休を取得した企業に、最大170万円の奨励金を支給する制度を新設した。育休に関する相談窓口の設置費用などに充ててもらうことで、さらなる育休取得を促したい考えだ。
3月には学識経験者や企業経営者ら10人で構成する「東京くらし方会議」を設置し、「誰もが活躍できる社会の実現」に向け、仕事と家庭の両立などについて議論を始めている。初会合では委員から「日本の男性は、家事や育児といった家庭内労働への参画が諸外国と比べて少ない。改善のためには社会で支える仕組みが必要だ」といった意見が出た。
会議では男性の働き方のほか、女性活躍社会の推進についても話し合い、都の施策に反映させる方針だ。
都幹部は「育休取得をはじめとした男性の働き方改革と、女性活躍の推進は表裏一体。課題を整理しながら、取り組みを進めていきたい」としている。