サクラ前線「終着駅」根室でチシマザクラが最速開花 稚内も開花

北海道根室市で3日、チシマザクラの標本木が開花した。統計を取り始めた1960年以降、歴代1位(2位は15年の5月6日)の早咲き記録で、平年より13日早く、昨年より6日早い。稚内地方気象台でもエゾヤマザクラの開花が宣言され、桜前線は本土最東端と最北端で「終着駅」に到達した。
市観光協会の寺田裕一事務局長(50)が根室地方合同庁舎前庭にある標準木の前で開花を宣言。「6~14日まで明治公園でサイロをライトアップします。日本一遅咲きの桜を見に根室にいらしてください」と呼びかけた。
2010年10月の根室測候所廃止で気象庁の観測地点から外れたため、市と市観光協会が翌年から観測を引き継いだ。元気象台職員の船山岩雄さん(77)は「1、2月の気温は例年より低かったが、3月の最高気温は平年より3度近く高く、3~4月の積算温度が473度に達していた」と分析。「週末に満開を迎えそう」と話していた。
一方、北海道稚内市でも3日、平年より10日、昨年より3日早い開花となった。この日は快晴で、青空に小ぶりなピンクの花が映えていた。【本間浩昭、那珂英一、那珂義也】