熊本市は9日、熊本乳児院で職員が乳幼児の頭をたたいたり、使用済みのおむつを顔に近づけたりする虐待が9件確認されたと発表した。片手をつかんで持ち上げるなど24件について不適切な行為と認定した。市は8日、乳児院を運営する社会福祉法人「熊本市社会福祉協会」に改善勧告を出した。
乳児院では、原則として家庭で養育できない2歳までの子どもを預かっている。市によると、この施設の定員は30人で、2008年から今年3月までに9件の虐待が確認された。
内訳は、「バチン」と音がするほど頭をたたいたり、頬をつねったりする身体的虐待が5件。使用済みおむつを子どもに投げるなどの心理的虐待が4件だった。
このほか、おしゃぶりが口から外れないように粘着テープを貼ったりするなどの不適切な行為は24件あった。
虐待したのは退職者も含む職員5人で、市の調査に対し、「悪意はなく、軽い気持ちでやっていた」と説明したとしている。
この乳児院では昨年3月、職員が乳幼児に「顔面偏差値低いよね」と発言するなど、心理的虐待があったとして市が改善勧告を出していた。しかし、その後も虐待や不適切な行為の情報提供があり、市が追加で調査を進めていた。