「私が殺した少女」で直木賞…ハードボイルド小説で人気集めた原りょうさん死去、76歳

引き締まった文体のハードボイルド小説で人気を集めた作家の原りょう(はら・りょう、本名・孝=たかし)さんが4日、病気で死去した。76歳だった。告別式は家族葬で行った。※「りょう」は僚の右側
佐賀県出身。九州大文学部卒業後にジャズピアニストなどとして活躍。米の作家レイモンド・チャンドラーに心酔し、1988年に「そして夜は 甦 (よみがえ)る」でデビュー。私立探偵・沢崎を主人公としたこの作品で注目されると、2作目の「私が殺した少女」で90年に直木賞を受けた。しゃれたセリフと乾いた文体というハードボイルドの魅力と、謎解きの面白さを兼ね備えた作品で人気作家となった。
創作に妥協しないため寡作なことでも知られた。2018年に14年ぶりに刊行した長編第5作「それまでの明日」が遺作となった。