鹿児島県出水市野田町下名のため池で、鳥インフルエンザの発生に伴って殺処分した鶏の埋却が原因とみられる悪臭などが生じている問題で、塩田知事が10日、現地を視察した。塩田知事は池周辺の住民に対し「申し訳ない」と謝罪する一方、稲作農家への補償については否定的な見方を示した。
県は先月中旬、現在の埋却地から東に約100メートル離れた場所に移設する工事に着手。縦15メートル、横40メートル、深さ5メートルの2本の溝を掘り、ゴム製の遮水シートで覆うなど漏出防止を施す工事で、7月上旬に終える見通し。
塩田知事は視察後、報道陣の取材に応じ「工事に時間がかかり、住民の皆さんには迷惑をおかけして申し訳ない」と謝罪。一方、ため池から流れる水を使う稲作農家への補償については「水質検査では農業ができない基準には達しておらず、補償は難しいのではないか」と話した。