国の基準に違反したふるさと納税返礼品を提供したとして、洲本市が同制度の対象から除外された問題をめぐり、市が牛肉の返礼品のため約65頭分の牛を「一頭飼い」していたことが15日、市の第三者調査委員会の調べで明らかになった。第三者委は、市がこのような処理を行った理由について調べていく。
第三者委によると、令和2年度~4年度に洲本市は牛の「一頭飼い」を続けており、請求書からその数は約65頭分に上ったことが判明した。国内で飼育される牛は、法律に基づき10桁の個体識別番号がある。このため、出生から食肉処理までの履歴を調べた結果、16頭が洲本市を経由していないことが分かり、地場産品基準違反と確認されるなど、適切な商品管理が行われていなかった。第三者委の委員の1人は「もはや論外」と厳しく指摘した。
併せて、牛は重さや等級により単価が異なるにもかかわらず、1頭の単価はほとんどで140万円に設定。第三者委は「不自然な単価での請求を問題視しなかった市の運用に問題がある」とした。
このほか、第三者委は情報通信技術(ICT)への対応の遅れ▽業務マニュアルが存在しない▽商品代と送料・梱包(こんぽう)費の不適切な付け替え-といった問題点を指摘。解決策として、アウトソーシング(外部委託)の検討や基準違反をリアルタイムで「見える化」するシステムの構築を行うべきなどと市側に提言した。