14日に京都府を訪問した上皇ご夫妻は15日、皇室とゆかりの深い尼門跡(もんぜき)寺院「大聖寺(だいしょうじ)」(京都市)に足を運び、明治天皇の后(きさき)、昭憲皇太后が儀式の際などに着用した「大礼服」をご覧になった。静養や、代替わりに伴う引っ越し期間中の御用邸などへの滞在を除き、ご夫妻が宿泊を伴って地方を訪問されるのは令和元年6月以来約4年ぶり。
大礼服は明治時代末期に昭憲皇太后が同寺に下賜(かし)。平成30年から修復が始まり、今年2月に完了した。側近によると、ご夫妻は修復活動に関心を寄せ、支援されてきたという。
大礼服の説明担当者によると、ご夫妻はテーブルの上に広げられた長さ約3・5メートル、幅約1・7メートルのトレーン(引き裾)に顔を近づけ、熱心にご見学。上皇さまは修復に使った針に「こんなに細い針によく糸が通りましたね」と驚かれ、上皇后さまは「修復をとても細かくやられて大変だったでしょう」とねぎらわれた。
ご夫妻はこの日、京都三大祭りの一つ「葵祭」の行列もご鑑賞予定だったが、天候の悪化が見込まれたため、16日に延期された。
ご夫妻は16日、葵祭の後、奈良県にご移動。17日に県内の尼門跡寺院を見学するなどして、18日に帰京される予定。