「核なき世界」と言うだけではいけない 広島サミット、元市長ら訴え

19日から開かれるG7広島サミットを前に、元広島市長の平岡敬さん(95)や市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」顧問の森滝春子さん(84)ら6人が市民とともに、世界へ発信するべきメッセージについて考えるイベントが17日、広島市中区の広島弁護士会館であった。平岡さんは「合言葉として『核なき世界を』と言うだけではいけない。廃絶に向けた具体策が出れば成果があったと言える」と話した。
ジャーナリストの金平茂紀さんが司会を務め、市民ら約230人が集まった。議論の様子はライブ配信された。
平岡さんは、広島サミットについて「戦後一貫して訴えてきた『戦争反対、核抑止力の否定、核兵器反対』という広島の立場を揺らがせてはならない」と強調。首脳らによる原爆資料館の視察については「核兵器が実際にどんな悲劇をもたらし、人間にどんな思いをさせたのか、想像力を働かせてほしい」と訴えた。
森滝さんは、ロシアのウクライナ侵攻を巡る議論で「世界がウクライナに軍事的な応援を続けて解決できなければ核戦争につながってしまう。サミットでは一刻も早く戦争を止める方策を議題にするべきだ」と述べた。【根本佳奈】