先進7か国(G7)は20日午後、広島市で開催中のG7首脳会議(サミット)の成果をまとめた首脳声明を発表した。ロシアによる「違法な侵略戦争」に直面するウクライナを「必要とされる限り支援する」と明記。ロシアに大きな影響力を持つ中国に対し、「軍事侵攻をやめ、即時、完全かつ無条件にウクライナから撤兵するようロシアに圧力をかけることを求める」とした。
声明では、「グローバル・サウス」と呼ばれる新興・途上国など、G7域外のパートナーとの連携を強化し、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する」と打ち出した。中国については、対話と協力の必要性を指摘しつつ、強引な海洋進出を続ける東・南シナ海情勢への「深い懸念」を表明。力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対した。「台湾海峡の平和と安定」の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促した。
サミットは21日まで行われ、インドなど招待国を含めたセッションなどが予定されている。21日には、20日に広島に到着したウクライナのゼレンスキー大統領が対面で参加する討議も実施する。首脳声明は通常、最終日に出すが、G7に絞っての議論は終結したとして前倒しで発出した。