台風2号の接近に備え、宮古や石垣など先島地方では27日、漁師が漁船をロープで係留する作業に追われ、非常食を買い求める客が訪れたスーパーでは、即席麺が品薄状態になった。進路次第では暴風が長期化する可能性もあり、本島のホームセンターでは防災用品の大量入荷も検討している。(宮古支局・當山学、八重山支局・平良孝陽、社会部・城間陽介)
石垣市真栄里のサンエー石垣シティでは、麺類コーナーの商品棚が空の状態に。担当者によると即席麺のほか、飲料水、レトルト食料品や冷凍食品が売れているという。「主要商品の在庫はまだあるが、今後の進路によっては船が寄航できず1週間品薄となることもある。早めに備えてほしい」と話した。
1年前に石垣市へ転勤した40代の夫妻は数日に分けて買い物をしているといい「海がしけると物資が届かないことがある。本島と比べ、十分に備えないといけない」と話した。
27日は台風の気配を感じさせない快晴となったが、新栄漁港では、漁師たちが船の係留作業に追われた。玉城浩平さん(36)は「明日は風が強くなるかもしれない。今のうちにやっておかないと」と汗を流した。
宮古島市では漁師や農家が台風に備えた。カツオ漁で有名な伊良部島の佐良浜漁港では、漁から戻った漁船が次々と何本もの太いロープで係留された。
漢那竜也さん(47)は、船を安定させるため水槽に水を入れる作業に1時間半かかった。「毎年のことだがこの対策が面倒くさい。長引くと収入がなくなるから大変だ」と疲れた様子だった。
サトウキビの休耕期間を利用したソバ栽培は例年より生育が遅れ、まだ5トン分が収穫できずにいる。新しい産業で台風の経験がない新里豪人さん(29)=市上野野原=は、この日も突然の雨で収穫を中断せざるを得なかった。「明日晴れてくれないと終わらない。雨なら晴れた後に収穫できるが、台風だと全部飛ばされるのではないか」と気をもんでいた。
台風の接近が週明けになる見込みの沖縄本島。メイクマン浦添本店では例年、台風シーズンには窓ガラスに貼る養生シート、ロープなど防災用品の需要が高まることから、週明けに大量入荷するか判断するという。担当者は「沖縄の人は台風が近づくぎりぎりまで様子見するので、追加発注はもう少し進路を見極めてからにしたい」と話した。