SMBC日興証券が勧誘の仕組み債、2255万円損失…東京地裁が733万円賠償命令

株価の変動などで償還額が大きく変わる「仕組み債」を巡り、SMBC日興証券(東京)の担当者が勧誘時にリスクの説明義務を怠ったとして、東京都の70歳代女性が同社に計約2480万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(大嶋洋志裁判長)は29日、同社に約733万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
女性は2014年11月と15年10月、同社の担当者に勧められ、2種類の仕組み債計4500万円分を購入。しかし、元本割れしたことから計約2255万円の損失を被ったと主張していた。
判決は、2種類の仕組み債のうち、よりリスクの高い「私募債」の商品について、担当者が「元本割れの可能性が極めて小さいなど、真実に反した説明をした」と指摘。「リスクを的確に把握しうる知識や能力のない女性に対し、過大な危険を伴う取引を積極的に勧めた」と述べた。
仕組み債を巡っては、損失を被った顧客からの苦情が多発し、金融庁が金融機関への実態調査を実施している。SMBC日興証券は昨年8月から機関投資家以外への販売を停止した。
同社は「判決内容を精査したうえで、対応を検討する」としている。