週末の日本列島を広範囲に襲った記録的な大雨は、各地に河川の氾濫や土砂崩れなどの被害をもたらした。冠水した道路に取り残された軽乗用車内で男性が死亡したほか、強風によるけが人も続出。交通機関の乱れも広がった。
愛知県豊橋市下条東町では2日午後10時過ぎ、冠水した道路に軽乗用車が水没しているのを消防隊員が発見。車内に閉じ込められていた60歳代くらいの男性が心肺停止の状態で救出され、病院に搬送されたが、約2時間後に死亡した。
3日朝には茨城県鉾田市で軽乗用車が川からあふれた水で流され、動けなくなった。駆けつけた消防隊員が車内から男性(63)を救助。約2時間後には同じ場所で、浸水して動けなくなった車の上に逃れていた30歳代の男性を消防が救助した。いずれの男性もけがはなかった。
男女2人が濁流にのまれ行方不明になっている和歌山県の紀美野町と紀の川市では3日朝から、警察と消防が捜索を再開した。
土砂崩れも頻発し、浜松市では住宅など3棟が全壊、1棟が一部損壊した。住民の男性1人と連絡が取れていないほか、倒壊した家屋に両足を挟まれた住民の男性(39)が3日朝に救助された。命に別条はないという。自宅敷地内に土砂が流れ込んだ同市西区の住民男性(73)は「いきなり土が流れてきてびっくりした。こんなことになるとは」と驚いていた。
東京都町田市の国道16号八王子バイパスでは、3日午前1時頃、道路脇ののり面の土砂が崩落し、下り線をふさいだ。警視庁南大沢署によると、現場付近を通行していたトラックの40歳代男性が足の痛みを訴え病院に搬送された。
強風にあおられて転倒する人も続出。神奈川県では70歳代と80歳代の女性2人が脚の骨を折る重傷を負ったほか、男女計10人が軽傷を負った。
交通機関も乱れた。JR東海は2日夜に宿泊用に新幹線車両を東京駅で5本、名古屋駅で2本、新大阪駅で4本用意し、計約5350人が利用した。
出張で上京していたという兵庫県加古川市、会社員の男性(47)は2日に新幹線で帰宅予定だったが、やむなく車内で一夜を明かした。「疲れもあるし、おしりも痛い。こんな経験は初めてだ」とうんざりした様子で話した。
週末に広島へ旅行に向かう予定だった埼玉県桶川市の会社員の女性(28)は3日朝、JR東京駅で足止めに。「滞在時間が短くなってしまう。どこかの観光を取りやめないといけないのがつらい」と声を落とした。