「記録は亡き者の叫び」亀岡暴走事故遺族、記録廃棄で再発防止訴える

平成24年に京都府亀岡市で起きた無免許暴走事故などの重大少年事件の記録が廃棄されていた問題で、事故で妊娠中だった娘の松村幸姫(ゆきひ)さん=当時(26)=を失った父の中江美則(よしのり)さん(59)が6日、京都市内で報道陣の取材に応じた。この日、最高裁の担当者から説明と謝罪を受けた中江さんは「記録は亡き者の叫び」と訴え、再発防止に向けた第三者委員会に遺族も関与できる仕組みの構築を求めた。
廃棄問題を巡り、最高裁は先月25日、記録の保存・廃棄の在り方に関する調査報告書を公表。最高裁の担当者はこの日、約1時間半にわたり京都家裁で中江さんに報告書の内容などを説明し、謝罪した。
終了後に取材に応じた中江さんは「(この問題について)深く考えていただいていると感じた。謝罪したこの瞬間を今後も覚えておいてほしい」と述べた。
その上で事件記録について「記録は亡き者の叫び。人命を奪った事件についてはどんな方法でも記録を残し続けてほしい」と改めて主張。また報告書が再発防止策として掲げた第三者委の設置を巡り「専門家だけでなく、遺族の声も交えて聞いてほしい」と述べ、自身が関与することを提言したと明かした。
裁判所は内規で、一般的な少年事件の捜査書類や審判記録は少年が26歳になるまで保存すると規定。社会の耳目を集めたものなどについては事実上の永久保存に当たる「特別保存」とするよう定めている。
公表された報告書によると、亀岡暴走事故について京都家裁の担当管理職が、罪名が殺人などの重大なものではなかったことや、少年記録はプライバシーの問題などから原則廃棄だと考えていたことなどから、誰にも相談せずに廃棄を進めていた。
亀岡暴走事故の記録廃棄は昨年10月に発覚。中江さんは今年3月に最高裁に説明を求める要望書を提出し、同月には最高裁の意見聴取を受けた。(木下倫太朗)