通常国会会期末を21日に控え、与野党で早期の衆院解散・総選挙の可能性を巡り、緊迫感が高まっている。与党内では、解散時期に関する発言が相次いだ。野党は対決姿勢を強めており、来週にも参院で採決の動きが出る防衛費増額のための財源確保法案への対応が最初の山場になりそうだ。
公明は一貫して反対
「政府一同、緊張感を持って国会審議に臨み、堅固な自公政権の連携で政策を前に進めたい」
岸田首相は6日、首相官邸で開かれた政府・与党連絡会議でこう呼びかけた。首相は5日の自民党役員会では、「(国会)終盤、緊迫の度を加えた展開になることが予想される」とも語った。
首相が終盤国会の動きに神経をとがらせる中、自民内では、会期末までの早期解散も想定した発信が活発化している。茂木幹事長は3日の講演で、「今年の秋に(衆院任期の)折り返し点を迎える。常在戦場は間違いない」と指摘。森山裕選挙対策委員長も同日、「解散はいつあってもおかしくない」と言及した。
早期解散論が浮上しているのは、先進7か国首脳会議(G7サミット)開催などで内閣支持率が上昇したことに加え、野党第1党の立憲民主党や、4月の統一地方選で伸長した日本維新の会の選挙準備が遅れていることが大きい。自民幹部は「先延ばしする理由はない。今すぐにでも解散を打つべきだ」と語る。
解散のタイミングの一つが、野党が検討している内閣不信任決議案の提出時だ。自民内では、「内閣不信任案が出たら、首相の性格からすると(衆院解散で)受けて立つ可能性も高い」(宮沢洋一税制調査会長)との指摘が出ている。
ただ、国民に信を問うべき「大義」が見当たらないとして、早期解散に慎重な声も根強い。自民ベテランは「勝てそうだからという理由だけで解散したら、有権者の反発を招く」と懸念する。自民の麻生副総裁はかねて、早期解散には消極的とされる。
公明党も、早期解散には一貫して反対している。山口代表は6日、「直面する課題にしっかり対応し、成果を積み上げていく姿勢が大事だ」と記者団に語り、解散による政治空白は避けるべきだと訴えた。
公明は支援者の選挙疲れから、4月の統一地方選から間を置かない解散に否定的だ。山口氏は5日の講演でも、「抜き打ちでやることはないと信じている」と首相をけん制した。