鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42歳)の遺体が見つかった「大崎事件」で、殺人罪などで懲役10年が確定して服役し、再審を請求していた原口アヤ子さん(95)の弁護側は12日、再審開始を認めなかった5日の福岡高裁宮崎支部決定を不服として、最高裁に特別抗告した。再審請求は今回が第4次。
弁護側は男性の死因を「事故死」とする新証拠を提出した。福岡高裁宮崎支部は「確定判決に合理的疑いを差し挟むものとはいえない」とし、再審請求を退けた鹿児島地裁決定(2022年6月)を支持し、弁護側の即時抗告を棄却した。
第1~3次の再審請求では地裁や高裁が計3回、再審開始を認め、上級審が取り消す異例の展開をたどってきた。【塩月由香】