一夜明け続く動揺 教官に叱られたと候補生、住民「理由にならない」 陸自3人死傷

岐阜市の陸上自衛隊日野基本射撃場で男性隊員3人が自動小銃で撃たれ、2人が死亡、1人が負傷した事件から一夜明けた15日、近隣住民らが現場周辺を訪れ、亡くなった2人を悼んだ。殺人容疑で送検された自衛官候補生の男(18)は、死亡した52歳の教官に叱られたという趣旨の供述をしているが、住民からは「そうだとしても事件を起こす理由にならない」との声が聞かれた。
男は同日朝、送検のため移送用車両に乗せられ、岐阜県警岐阜中署を出発。30人以上の報道陣が集まり、一斉にフラッシュを浴びせたが、表情はうかがえなかった。
射撃場の出入り口付近には、規制線が張られ、ユリとキクの花がささげられていた。警察官による警戒も続き、近隣住民の動揺は収まっていない。
「ご家族のことを思うと亡くなった2人は本当に気の毒」。近くに住む男性(68)が沈痛の表情を浮かべた。「(男が)教官に叱られたという報道もあるが、事件の理由だったとしたら短絡すぎる。何を考えていたのかが分からず、全容が知りたい」と語った。
近所の50代女性は「銃の扱いには注意を払ってくれていると思って生活してきた。長野県でも猟銃を使った立てこもり事件があったし、本当に怖い」と不安がった。
男や隊員3人が所属する守山駐屯地(名古屋市)では、迷彩服や私服の隊員らが通常通り出勤したが、足取りは重く、押し黙ってうつむきながら歩く姿が目立った。
女性隊員は「自衛官なので表情には出さないように淡々と職務をこなしたが、まだ1日しかたっていないので、みな複雑な気持ちだろう」と話した。別の女性隊員は「情報が伝わってきていない。早く全容を知りたい」と言葉少なだった。