戸籍上は男性だが、女性として生活する性同一性障害の経済産業省の50代職員が、庁舎内で女性用トイレの使用を制限されているのは違法として国に処遇改善を求めた訴訟の上告審弁論が16日、最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)であった。職員側と国側双方が意見を述べ結審。判決は7月11日に指定された。
二審の結論変更に必要な弁論が開かれたことで、使用制限を適法とした東京高裁の判断が見直される可能性がある。最高裁が性同一性障害を巡る職場環境について判断を示すのは初めてで、国の指針がない中、内容次第では企業の取り組みにも影響しそうだ。
弁論で職員側は、「処遇は他の女性と異なる取り扱いで、尊厳を深く傷つける。女性として社会生活を送る重要な法的利益が制約されている」と主張。使用が認められた一部の女性トイレを使っているが、トラブルはないと訴えた。
国側は、同省は職員と面談し、他の職員への説明会も実施した上で一部使用を認めるなどの対応をしたと反論。「トランスジェンダーの性自認に従った、トイレの自由な使用を認めるべきだとの社会的な理解が存在したとは言えない」と上告棄却を求めた。
[時事通信社]