通常国会の会期末を間近に、解散風をあおっていた岸田首相が「今国会」は断念。そりゃそうだ。自民党は選挙を戦える体制じゃない。
岸田首相が本気で選挙をやろうと思ったら、公明党と折り合いの悪い茂木幹事長を交代させる必要があるという指摘が自民党内からも上がる。
「選挙区調整をめぐる茂木幹事長と公明の石井幹事長の話し合いは、最後は怒鳴り合いになったそうで、今の自公関係は冷え切っている。このままでは、東京での選挙協力解消が全国に波及しかねません。調整のために汗をかこうともしない茂木さんに対する現場の不満は相当で、とても幹事長として総選挙を仕切れる状態ではない。総理も幹事長に不信感を持っているのですが、ポスト岸田への意欲を隠さない茂木さんを交代させたら寝首をかかれかねないと警戒している。動きを封じるために幹事長を続投させるべきか、判断に迷っているようです」(官邸関係者)
青木元官房長官死去で注目
茂木氏が来年の総裁選出馬を考えていることは周知の事実だ。「参議院のドン」と呼ばれ、引退後も茂木派(平成研究会)に隠然たる影響力を持っていた青木幹雄元官房長官が11日に亡くなったことも茂木氏を勢いづかせる。総理総裁を狙うにあたり、最大のネックが青木氏との不仲だったからだ。
「茂木会長と青木さんの間の壁は埋めがたかった。竹下亘会長(当時)が亡くなった後に、青木さんの承諾を得ないまま茂木さんが会長に就いたことも最後まで許していませんでした。小渕内閣で官房長官を務めた忘れ形見の小渕優子元経産相を娘のように可愛がってきた。『優子を総理に』が口癖で、茂木派を小渕派にしたがっていた。その青木さんが亡くなり、茂木会長が派閥を完全掌握するわけです。優子さんを冷遇する可能性もあります」(平成研参院議員)
青木氏は同じ早大OBの岸田首相とも関係良好で、森元首相を交えて会食することもあった。その場でも、茂木外しと小渕氏の要職起用が話し合われたという。
14日開かれた小渕氏の政治資金パーティーで挨拶に立った森元首相は、「小渕さんが飛躍した場所に座ってから逝きたかっただろう。心残りだと思う」と青木氏をしのんでいた。
岸田首相は青木氏の“遺言”に従い、茂木氏をクビにして小渕氏を引き上げるのか。この夏にも行われる内閣改造・党役員人事の焦点が茂木氏の処遇だ。