「一方的に授業料を値切ると私学教育が維持できない」大阪府の『完全無償化』反対の声

大阪府の吉村洋文知事の肝いりの『高校授業料の完全無償化』ですが、保護者からも不安の声が上がっています。 今年4月の大阪府知事選挙で吉村知事が公約に掲げた所得制限なき高校授業料の完全無償化。2026年度までに全学年で授業料を無償にする案が示されていて、府内の約45%の生徒が新たに無償化の対象になる予定です。 授業料がタダになる!というみんなが喜ぶ話なのかとおもいきや、私立高校からは反対意見が出ています。理由は「無償化の条件」にありました。 世帯年収800万円未満の生徒を対象にした大阪府の現在の制度では、60万円までは一部または全額を国と府が負担して、それを超えた分は無償化の対象外の生徒の授業料から補填されるなどしてきました。 しかし新制度では生徒全員の授業料が上限60万円となります。それにより、現在は何とかやりくりしている学校も、何かを削らなければ立ち行かなくなると懸念しているのです。 大阪市天王寺区にある清風高校。この学校では私学ならではの取り組みとして全生徒に「論文指導」を行っています。添削専門の講師など約40人体制で手厚い指導をウリにしています。 (高校3年生) 「先月ぐらいから指導してもらっている、週3回くらい。色々なコツみたいなものを教えてもらって、前よりはうまく書けるようになりました」 こうした学校独自の取り組みが新制度で大きな負担となってしまうといいます。清風高校の授業料は年間67万円ほど。学校は、完全無償化になった場合は新たに約700人の生徒が制度の対象となると見積もっていて、上限の60万円を超える7万円×700人分、つまり年間5000万円ほどを学校側で負担しなければならなくなるのです。 (清風高校 平岡宏一校長) 「日曜日とか祭日とかに休日勉強会というのをやっているんですね。それもやっぱり費用がかかりますので。それで今と同様の教育サービスを提供しようとすると、やっぱりなかなか難しいですよね」 無償化を危惧するのは学校だけではありません。大阪府の私学に通う生徒の保護者らも、上限が60万円となると教育の質が低下する、などと指摘する意見書を6月23日に府に提出しました。 (大阪私立中学校高等学校保護者連合会 松井次郎会長) 「私たち保護者は各私立高校の特色ある教育に魅力を感じて子どもを通わせています。(府が)一方的に授業料を値切ることで、学校が教育内容を維持できなくなれば、今まで通りの教育を受けることができなくなります」 大阪府は今年8月中にも制度を固める方針を示しています。