「マイナ保険証」トラブルで10割負担、厚労省が対応策…「資格申立書」出せば本来の負担に

マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」のトラブルのため、患者が窓口で10割負担を求められる問題で、厚生労働省は29日、8月中をめどに、患者の保険資格を確認できなくても、本来の負担で済むように対応策をとると発表した。
マイナ保険証を巡っては、使用した際、「無効」と表示されるなどして、患者が10割負担を請求される事例が相次いでいる。全国保険医団体連合会によると、今月19日時点で全国で少なくとも776件あった。
対応策では、機器不良などのため、マイナ保険証で保険資格の確認ができなかった場合、現行の健康保険証や、マイナカードの専用サイト「マイナポータル」での確認が可能であることを明確化した。
健康保険証が手元にないケースでは、新たに設ける「被保険者資格申立書」を出せば、窓口での支払いは本来の負担分で済むようにする。
患者の保険資格を確認できなくても、医療機関は保険者に支払い請求をすることができることも明記した。最終的に保険資格を確認できなかった場合、保険者間で負担を穴埋めする仕組みも新たに導入する。
また、厚労省はマイナ保険証の課題を検討する「オンライン資格確認利用推進本部」(本部長・加藤厚労相)の初会合を開いた。8月以降、省として登録データを順次点検するなど、2024年秋に予定される健康保険証の原則廃止に向けた工程表を確認した。