富士通、マイナカードのシステム123自治体で再び停止…改修漏れでまた誤交付

マイナンバーカードを使った証明書交付サービスを巡り、富士通は29日夜、自治体向けに提供しているシステムを停止して再点検を行うと発表した。福岡県宗像市で新たに別人の証明書を交付するトラブルが起きたためで、納入先の123自治体にサービスの即時停止を要請する。再開時期は未定という。
システムは子会社の富士通Japan(東京)が提供している。3月以降、コンビニで証明書を発行するサービスで誤交付が相次いだことを受け、富士通は一斉点検を行い、6月17日に終えたばかりだった。完了直後に新たなトラブルが起きたことで、チェック体制のあり方も問われそうだ。
富士通によると、宗像市のトラブルは28日、市役所庁舎内に設置された証明書発行システムで発生。申請者とは別人の住民票が発行された。過去に同社が行ったシステム改修が宗像市では反映されていなかったことが原因という。同市は29日にサービスを停止。123自治体のうち41自治体で同様のトラブルが起きる可能性があるという。
富士通は再点検で、システム改修の漏れがほかにもないかなどを重点的に調べる方針。
松本総務相は30日の閣議後記者会見で「システムの改善点検などの対応を速やかに行っていただきたい」と求めた。