沖縄科学技術大学院大学(OIST)とワシントン大学による共同研究チームは28日までに、タコにも人間の眠りが浅いレム睡眠に似た睡眠段階があることが分かったと発表した。
レム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠のように、二つの段階があるのは脊椎動物だけと長年考えられていた。
今回の研究結果に、ワシントン大のレノイ・メシュラム博士は「タコの認知機能の複雑性を示す一般的な特徴と考えられる」と指摘している。
ソデフリダコを使った実験で、静かに眠る「静的睡眠」と、人間のレム睡眠同様に覚醒時の脳活動とよく似た「動的睡眠」があることが確認された。
また、タコは体色模様を変化させて、背景に合わせてカムフラージュしたり、捕食者を威嚇したりするが、動的睡眠の間にも覚醒時と同じような体色模様を示した。
この理由は明らかになっていないが、覚醒時に隠れたり狩りをしたりした体験を睡眠中に再現しているためではないかという説も考えられるという。つまり「夢を見るのと同じような現象が起きている可能性がある」ことを示している。研究チームは今後さらに調査を進める。
29日、英科学誌ネイチャーで発表した。(社会部・普久原茜)