視覚障害者 ホーム転落「恐怖しかない」 JR駅無人化訴訟

JR九州が進める駅の無人化で移動の自由を妨げられたとして、大分県内の車椅子利用者らが同社に損害賠償を求めた訴訟の第9回口頭弁論が6日、大分地裁(武智舞子裁判長)であった。2月に第3次提訴して原告に加わった大分市の視覚障害者、釘宮好美さん(48)が「無人駅でホームから転落したらどうしたら良いのか。恐怖しかない」と意見陳述した。
釘宮さんは、初めて利用する駅では乗降時の介助が必要でホームから転落した場合も一時避難場所が分からないため、無人駅は安全性に問題があると指摘。2022年12月、15時以降は無人駅だったJR津久見駅で視覚障害者の高齢女性が特急電車にはねられて死亡した事故にも触れ、「(視覚障害者は)転落して当然の存在なのでしょうか」と訴えた。
JR九州は、業務の合理化などを理由に駅の無人化を進めており、監視カメラやインターホンによる遠隔案内システムを導入したうえで、7月から大分市内の4駅を終日、鶴崎駅を夕方を除き無人化した。
原告側弁護団の徳田靖之弁護士は公判の中で、同社が係争中に無人駅を増やし、津久見駅での事故原因や再発防止策を公表していない姿勢などを批判。複数から同時に案内要請があった場合、システムが対応できない可能性も指摘した。
閉廷後の報告集会で、徳田弁護士は「日本の鉄道網において、障害者にどう対応するのかと企業のあり方を変える裁判になると思う」と訴訟の意義を強調した。【神山恵】