「モノのように消費、許せない」木村花さん母、フジテレビとの訴訟で意見陳述 東京地裁

フジテレビの番組「テラスハウス」に出演したプロレスラー、木村花さん=当時(22)=が誹謗(ひぼう)中傷を受けて自死した問題を巡り、母親の響子さんがフジテレビと番組制作会社に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が12日、東京地裁(池原桃子裁判長)であり、被告側は争う姿勢を示した。
テラスハウスは共同生活する男女の恋愛模様を描くリアリティー番組。原告側によると、花さんは令和元年9月から撮影を開始。翌2年3月に入居者の男性とのトラブルで花さんが激怒する場面がインターネット配信されると、SNS(交流サイト)で大量の中傷が寄せられ、花さんは同5月に自ら命を絶った。
原告側は、花さんがフジテレビ側に提出した誓約書の違約金条項で、演出などについて強い拘束を受けていたと主張。番組には出演者が中傷を受ける構造的な問題があり、被告側は出演者の健康状態の管理や中傷への対処などの安全配慮義務を怠ったとしている。
この日、法廷に立った響子さんは「人がモノのように消費されていくような番組の作り方は、到底許せない」と意見陳述した。
フジテレビは「原告の主張には当社と認識が異なる点がありますが、見解は訴訟の中で主張していきます」とするコメントを発表した。