3保育園の運営会社、補助金1500万円を不適切受給 千葉・浦安

千葉県浦安市にある3保育園の運営会社「こどもの木」(同市、島貫征之社長)が同市に対し、事実と異なった実績報告をして、保育事業の運営を支援するための市の補助金約1500万円を不適切に受け取っていたことが21日、市への取材などで判明した。市は特別監査で条例違反と判断し、5日に再発防止策などを求める勧告をした。
市関係者や市への情報公開請求で入手した文書によると、2019年4月~22年8月、同社は産休や育休などで休業中の職員を、現場に配置しているとの報告などをして、同市から計約1500万円の補助金を不適切に受け取っていた。また、本来は担当外である現場統括の主任保育士に、平日の早番や遅番勤務をさせることが常態化していたり、同社運営の1園で働く保育士を複数の園で重複させて名前を載せていたりするなど、実績報告や帳簿管理が不正確だったという。同市では17、18年度分についても今後調べ、補助金の返還を求めることにしている。
市保育幼稚園課の永田淳課長は「待機児童をなくそうと、税金を使って対策を講じている中、こうしたずさんな行為は残念。信頼関係も崩れる」と話す。
一方、同社の島貫社長は「不正を疑われた時点で園を離れたお子さんや保護者もいたが、申し訳ない気持ちだ。認識の甘さと管理不足であり、故意にしたのではない。失ってしまった信頼を取り戻していくしかない」と話し、22日に保護者説明会を開く意向だ。【石塚孝志】