宮内庁関係者らになりすまし、皇室への献上品として桃をだまし取ろうとしたとして、福島県警捜査2課は28日、東京都練馬区大泉学園町2、職業不詳、加藤正夫容疑者(75)を詐欺未遂容疑で逮捕した。
逮捕容疑は5月下旬ごろ、皇室への献上品を選定する立場にないのに、宮内庁関係者や東京大客員教授を名乗り、福島市で桃を栽培する70代男性に献上を依頼したとしている。同課は認否を明らかにしていない。他にも同様の手口を繰り返していたとの情報もあり、同課が裏付け捜査を進めている。
加藤容疑者は、献上の「お礼」として「皇室献上桃」などと記した木札を農家に贈っていたとみられる。福島市は一時、農家からの依頼で加藤容疑者から受け取った木札の写真を市内の「道の駅」に掲げてPRしていた。市農業振興課の担当者は「東京電力福島第1原発事故の風評被害など困難を乗り越え喜ばしいことだと考えていたのに、生産者の気持ちを考えると腹立たしく感じる」と話した。
福島県によると、献上は皇室の慶事などの際に都道府県知事からの「献上願」などの手続きを経て進められる。同県では1994年から昨年まで29年連続で桑折(こおり)町産の桃を皇室に献上しており、同町産以外の桃が献上されたことはないという。【岩間理紀、松本ゆう雅】