コロナ助成金1.8億円詐取か 休業手当180人分を虚偽申請

新型コロナウイルス対策の国の「緊急雇用安定助成金」をだまし取ったとして、大阪府警は31日、無職の中山力(りき)容疑者(36)=大津市=ら5人を詐欺容疑で逮捕し、7人を同容疑で書類送検したと発表した。この12人はグループで、勤務実態のない労働者180人に休業手当を支払ったとする虚偽の申請書類を作り、1億8000万円近くの金額を不正受給していたとされる。
緊急雇用安定助成金は、新型コロナ禍で売り上げが減った事業者に対し、雇用保険に加入していないパートやアルバイトらへの休業手当を補助するもの。逮捕容疑は、中山容疑者らは2020年9月~21年3月、計12の事業者名義で虚偽の申請書類を大阪と東京の労働局に提出し、助成金計約1億7800万円をだまし取ったとしている。府警は認否を明らかにしていない。
他に逮捕されたのは、無職の柴田正義容疑者(42)=堺市東区▽会社役員の仲田昌史容疑者(37)=大阪市西区――ら。2人は中山容疑者の知人で、申請時の名義人になる他の容疑者を集めていたという。申請に用いられた事業者は大半が架空か、稼働実態が不明だった。だまし取った助成金を借金の返済や生活費に充てていたとみられる。
府警は22年11月、同様の容疑で自営業の男性を逮捕した。男性はその後に不起訴(起訴猶予)となったが、捜査の過程で中山容疑者らの存在が浮上した。
新型コロナ禍での休業手当の助成を巡っては、従業員に支払う分を事業者に補(ほてん)する「雇用調整助成金(雇調金)」も含めて不正受給が全国で問題となった。失業を抑えるため国が迅速に支給しようと申請手続きを簡素化したことが温床になったとされ、不正受給の取り締まりや回収が進められている。緊急雇用安定助成金は3月末までの休業をもって受け付けが終了した。雇調金については、新型コロナ禍で助成額を引き上げた特例措置が3月末で終わっている。【木島諒子、砂押健太】