おととし、大阪市内の路上で「十徳ナイフ」を所持していたとして1審で罰金刑を受け、控訴していた鮮魚店主について、大阪高裁は所持の理由や目的が「社会通念上相当と認められる場合に該当するとはいえない」などとして控訴を棄却しました。
判決などによりますと、大阪市に住む鮮魚店主は、おととし12月、大阪市福島区の交差点で赤信号であるにもかかわらず横断歩道を渡ったとして、警察官に職務質問を受けました。
その際の所持品検査でかばんの中から「十徳ナイフ」が見つかったため、店主は軽犯罪法違反の罪で起訴されました。
裁判で店主側は「仕事でも使用し、また災害時に備えて携帯していたもので正当な理由がある」と無罪を主張しましたが、大阪簡裁は「仕事でもかなりの期間使用されておらず、災害時についても漠然とした目的で、法の趣旨からみて相当ではない」などとして店主に罰金9900円の支払いを命じていました。
店主側は判決を不服として控訴。
1日の控訴審判決で大阪高裁は「(店主が)日常で十徳ナイフを使用するのは、いずれも自宅で持ち出す必要性はなく、災害に備えた具体的対策として所持していたとは認められない」と指摘し、所持の理由や目的が「社会通念上相当と認められる場合に該当するとはいえない」などとして控訴を棄却しました。
判決後、店主の代理人・高江俊名弁護士らが会見を開き、高江弁護士は「明確な使用用途がないのに、アウトドアや旅行で十徳ナイフを所持することは正当な理由とされる一方、仕事で結束バンドを切るなど使用し、日常や災害時にも何かに使えると所持していた店主が有罪で前科が付くのは不当な判断である」と話し、最高裁へ上告する方針であると明らかにしました。