電柱8700本異常なし 東海道線事故受け緊急点検

神奈川県鎌倉市のJR東海道線藤沢-大船間で5日夜、電車が線路側に傾いた電柱と衝突した事故で、JR東日本は17日、管内にある電柱約8700本の傾斜などを緊急点検した結果、設備に異常はなかったと明らかにした。
JR東によると、緊急点検は在来線約7700本、新幹線約1千本の電柱を対象に今月10日までに実施。鉄道総合技術研究所を含めた「原因究明・対策検討委員会」を立ち上げ、15日の第1回会合では今後の検討内容などを議論したという。
事故を巡っては、国土交通省関東運輸局がJR東に対し、原因究明と安全確保を求めて警告したほか、運輸安全委員会も鉄道事故調査官を派遣し、関係者への聞き取りなどを進めている。
JR東は「事故を重く受け止め、引き続き原因究明と再発防止に取り組んでいく」としている。
事故は5日午後9時25分ごろに発生。先頭車両の前部ガラスが大きく破損して現場に停止した。電車は小田原発横浜行きで、花火大会のため臨時運行し約1500人が乗車。乗客は停電して空調が切れた列車内に閉じ込められ、熱中症や過呼吸で病院に搬送された人もいた。この事故の影響で約15万人の足が乱れた。