オーダーメイドなのに販売も計測も「無人」 FABRIC TOKYOの新ブランド「STAMP」 ITワーカー市場はデニムに勝機

オーダースーツ事業で好調のFABRIC TOKYO(ファブリックトウキョウ、東京都渋谷区)が、新ブランド「STAMP」を立ち上げる。ITエンジニアやクリエイターなどの「クリエイティブワーカー層」に向け、無人店舗で計測から販売までのサービスを提供する。

ファブリックトウキョウは、これまでスーツを販売してきた。リアル店舗で身体計測を行い、趣味・趣向などのデータも加えたパーソナルデータをクラウド上に保存。ユーザーは、保存されたデータを基に、好きなときにスーツを購入できる。この「スマートオーダー」と呼ばれる仕組みと、ユーザーのライフスタイルに寄り添うコンセプト「Fit Your Life」で、売り上げは2017~19年までの3年間に毎年200%の成長を続けている。

新ブランドのSTAMPでは、ターゲットに「スーツを着ない層」を据えた。担当者によれば「IT系の労働者はガジェットツールや、気に入ったものに対してお金を惜しまない傾向がある」という。また、「デニムはお気に入りのブランドを購入するというよりも、消耗品的に買われる傾向にある」と分析。こうしたデニムの買われ方に新たなビジネスチャンスを見出し、逆説的に「長く使えるデニム」を提案する。価格は未公開だが1万~2万円ほどの価格帯で、伸縮性があったり、洗濯しても色落ちしなかったりと長く使えるようなデニムを提供する。

無人店舗の様子
ファブリックトウキョウは、9月13~29日までの期間限定、かつ完全招待制でテスト店舗を新宿マルイ本館(

東京都新宿区)に出店。本格運用に先立ち、テスト店舗にはスタッフが常駐。商品説明や計測の流れ、サービスのヒアリングなどを行った。10月以降は、ファブリックトウキョウが展開するリアル店舗の一角に出店する形を取るという。こちらでは無人での運用を行う。

計測は、個室の中で行う。センサーが埋め込まれた4本の柱に囲まれたスペースの中に立ち、スマートフォンのアプリを使って計測。衣服は脱ぎ、下着のみを着用する。4方からスキャンするので、体を回転させる必要もなく、直立不動のままで計測は完了する。完了すると、アプリ上に3Dデータが表示される。全3回の計測で、10カ所ほどのデータを取得。アプリ上に表示されるもの以外にも、さらに詳細なデータが蓄積されていくという。購入は、ファブリックトウキョウと同じく、店舗で行っても良いし、家に帰ってからでも良い。時期にもよるが、購入から3週間ほどで到着する流れだという。

実際にサービスを体験した感想として、計測ルームで服を着脱する手間こそあるが、かなり手軽に計測できると感じた。アプリのUIもストレスがなく、“ガジェット感”のあるデザインとなっている。商品名も、単に「デニム」とするのではなく、「STAMP ver1.0(テーパード)」「STAMP ver1.1(ストレート)」といったように、随所にこだわりが見て取れた。

ポケットが2層構造になっているのもポイントだ。「従来のデニムはポケットが浅かったり小さかったりして、スマートフォンや加熱式たばこなどのデバイスを携帯しづらい」と担当者。今後はポケットのサイズを各自のデバイスに合わせて調整することも検討しているという。

当初はデニム2種類、3カラーのみの販売だが、アウターなどのアパレル商品も展開していく予定。出店も小規模で済むことから、駅の構内やオフィスビルの一角など、さまざまな場所に可能性を見出している。